とある中国の人の話

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日本に住む新華僑の話

ブログ記事を書こうとして上野のカフェにいたら、向かい側のテーブル席から日本に暮らす中国の人とその知人らしき日本人との会話が聞こえてきました。

悪いと思いましたが盗み聞きしていると、その中国の人は1990年代に日本に来て30年近く苦労して仕事をして来たそうです。IT技術者としてスタートしましたが、最初時給1000円で月収16万円でした。仕方なく販売員のアルバイトもしたとのこと。彼のような人は新華僑と呼ばれるらしい。

当時同じく日本にやって来た人たちが現在どうしているかというと、日本にそのまま残ったり、アメリカに渡ったり、ベトナムに行ったりと様々。変わり者はシンガポールや台湾に行ったらしい。
ただインドはヒンズー教で考え方が異なるため中国人はやりにくく、一方ベトナムは仏教国なので暮らしやすいのだそうです。
新華僑は一旦中国を出ると中国にはあまり戻らないらしい。

ちなみに、2000年前後に生まれた中国人は新世代と呼ばれるらしいです。

現在IT業界の初任給は日本で25万円位、中国では15万円位ですが、外国語を学ばなくても済むため、新世代は日本の大学を卒業しても日本で就職せず中国に戻るようになったとのこと。
ちょうど日本人が海外留学してもほとんど日本に戻るのと同じように。

話している中国人は日本に住んでいるようですが、今ではベトナムのハノイに会社を持ち中国との国境付近のホテル経営に投資をしているとのこと。時給1000円のサラリーマンからスタートした彼は今では海外に投資をする立場になっているらしい。

現実的であるとは、自ら現実を変えていくこと

ここからは僕の想像なのですが、色々苦労はあったでしょうが、同じ華僑の人脈から得た情報が彼の成功になんらかの影響を及ぼしているだろうとは思います。

ただ、それよりも重要なのは、彼が自らリスクを取ってチャレンジや投資をし続けてきたであろうということ。

現実的な判断、例えば、ベトナムという国の選択、ホテル業という業態の選択、中国国境近辺というロケーションの選択、それら全ては現実的な情勢と予想のもとに下された彼の判断の結果なのだと思います。
恐らくは投資金額もリスクの極大値を勘案して何分の一かずつに分けてポートフォリオを組んで行なっているのでしょう。

彼は国際的なビジネスマンであるし、何よりも行動力があります。そして盗み聞きしながら感じたのは、彼の行動が非常に現実的であるということです。

現実的であるとは、自ら現実を変えていくことなのかと改めて思いました。

自分を現実に合わせるのでなく、自分で目の前の現実を変えていくということ。
おそらくそこにはビジネス上必要な人脈もあるでしょう。
そういう実現のために必要な資金・人脈・投資機会などを努力して獲得していく。そういう行動が現実的なのだと思いました。

「日本人は」とは一般化しませんが、「僕は」とても小心者です。あるいは怠惰です。
考えてばかりで全く行動しません。あるいは考えることすらしません。

重大な決断などちゃんとしたことがなく、時流に流されて生きてきました。
目立たず、ひっそりと。
精神的に追い詰められるとおかしな判断ばかり繰り返してきた気がします。

どうしたものかな。現実的な判断力はどうしたら獲得することができるのでしょう。

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